子宮頸がんワクチンについて
子宮頸がんワクチンについて御存知ですか?
子宮頸がん 年間 約1万人が発症
年間 約3000人が死亡
子宮頸がんの原因である ヒトパピローマウイルス の感染をワクチンで予防することにより子宮頸がんを予防できます。
ただし完全に予防はできません。ヒトパピローマウイルス16型と18型によるもののみ(子宮頸がん全体の50~70%)ではありますが、それでも859~595人/10万人あたり子宮頸がんにならずに済むと推定されています。
2010年に国の補助で接種できるようになった子宮頸がんワクチンですが、2013年 正式に定期接種となりました。その後わずか2カ月で『積極的勧奨の中止』となっています。
当時、子宮頸がんワクチンの副作用で歩けなくなった・計算ができない・痙攣するなどの症状を訴える車いすの少女たちの衝撃的な映像が連日マスコミにより報道されました。
その後、厚生労働省の調査の結果、ワクチンとの関連は否定されています。
子宮頸がんワクチンを打ってない人たちにも、同程度に急に歩けなくなった等の様々な症状を訴える症例があることも名古屋市の調査で報告されてます。
それから6年経った現在も、まだ厚生労働省は子宮頸がんワクチンを『積極的勧奨を差し控え』ている状態です。どういうことか、保護者の方々も医療関係者も理解に苦しむ状況だと思います。
当初子宮頸がんワクチンの接種率は、70%以上でしたが、現在は1%未満となり、『積極的勧奨の差し控え』の結果、ワクチンを受けなかった世代が子宮頸がんを発症する年代となり、婦人科の先生方は危機感を感じています。
自治体によっては、独自に定期接種であることを周知するなどの動きが出てきました。
現在も子宮頸がんワクチンは定期接種として受けることができます。
小学6年生~高校1年生の間に3回接種するスケジュールです。
定期接種なので無料でできます。年齢を過ぎると任意接種(有料)となります。
当院で子宮頸がんワクチンを任意接種で行うと1回16000円x3回=48000円かかります。対象の女児は定期接種で受ける権利があることをお伝えしたいです。
全く副作用がないワクチンは存在しません。皆様がこれまで受けてこられた予防接種にも副作用はありました。
これまでのワクチンと異なる点は、
① 筋肉内注射
皮下注射ではなく筋肉内注射である点です。痛みはこれまでのものより大きいとお考え下さい。
② 思春期の女児が対象
思春期は、だれしも人間関係や学業など色々な意味で悩みがある年代です。
接種時の痛みをきっかけに普段の悩みが身体的な症状として現れる可能性はゼロではありません。万が一ワクチンの後に、ワクチンとは一般的に結びつかない何らかの症状を訴えた場合も、ワクチンはきっかけであり、原因ではなく、根底にあったものが表面化した可能性を考え、本人はともかく、親御さんが冷静に受け止めることができるか、お子さんの本当の悩みに向き合うことができるか、事前に親子でワクチンの意義をしっかり話し合い、親子とも希望の場合のみ接種してください。(接種を怖がる子どもを無理やり連れてこないでください。)
但しワクチンの副作用と本人やご家族が考えられる場合は、ワクチンの関連があってもなくても救済措置はありますのでご安心ください。
以前は子宮頸がんの発症は、40-50代がピークでしたが、最近は20-30代に増えてきており30代後半がピークとなっています。ちょうど妊娠・出産・子育ての時期です。
欧米では子宮頸がんは、「マザーキラー」と言われています。
妊娠した喜びの中、妊婦健診の際に子宮頸がんが見つかり、赤ちゃんごと子宮摘出する痛ましい症例も産婦人科の先生は体験されているとのことです。
少なくとも当院に来院される女の子たちに将来悲しい思いをしてほしくありません。
子宮頸がんになってから、後悔しても遅いです。
あなたの大切なお子様と未来のお孫さんを守るために是非ご検討下さい。
※定期接種の場合も、予約が必要です。
子宮頸がんワクチンは2種類あります。
サーバリックスかガーダシルか、決められたうえお電話ください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
医療法人 木元小児科医院
院長 木元 美子